日本ライトハウス情報文化センター   「ワンブックワンライフ」2025年1月号   <<表紙イラスト>>  お正月のイラストです。  女性が獅子舞の頭を右肩の上に担ぐように持ち上げ、獅子頭に付いている毛卍文(けまんもん)の模様の布「油単」を両肩にかけて正面を向いて笑っています。 獅子舞の油単と同じ柄のたっつけ袴を着た男性が焦ったように女性を後ろから追いかけるように走っています。    <<目次>>   ●掲示板(1頁)   ●センターの頁(2頁)   ●ボランティアの頁(3〜4頁)   ●感謝報告(4〜7頁、別ファイル)   ●報告の頁(8頁)  以下は本文です。   ●掲示板(1頁)  ◆2025年度・音訳ボランティア養成講習会(1)と(3)の受付開始  初心者向けの(1)と蔵書製作のための(3)を以下の通り開講します。詳しくは当館録音製作係(電話06-6441-1017)へ要項をご請求ください。  ◆音訳ボランティア養成講習会(1)  対象 当館での音訳活動を志す初心者の方(事前試験で選考)  内容 読みの基礎、視覚障害者福祉・ボランティア概論  日時 4月16日〜7月30日の毎週水曜日 13時〜14時50分(全16回)  受講料 7,700円  申込締切 2月15日(土)必着  ◆音訳ボランティア養成講習会(3)  対象 当館の音訳講習会(2)の修了者、またはいずれかの音訳・朗読講習会を修了しているか、既に音訳活動を始めている方(事前試験で選考)  内容 図表・記号などの処理、調査・録音技術等。  日時 4月3日〜12月18日(前期・後期の2期で全28回)の木曜日10時〜12時  受講料 無料  申込締切 2月5日(水)必着  ◆「サピエ」が2月5日(水)から26日(水)まで停止  視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」が、情報漏洩対策強化のシステム改修のため、2月5日(水)から26日(水)までの約3週間、使えなくなります。サピエ図書館の図書検索やデータのダウンロード、オンラインリクエストなども行えませんので、ボランティア・団体の方もご注意ください。当館の図書・情報係では、停止期間中、所蔵図書やサピエ以外の手段で入手できる雑誌類の貸出など、できる限りの代替手段でサービスを続ける予定です。  ◆1月の休館・休室について  1月6日(月)=仕事始め(総務係以外は休室)  1月7日(火)=利用者サービス、ボランティア活動再開  1月9日(第2木曜)=エンジョイ!グッズサロンと図書貸出は書庫・在庫整理日で休室  1月11日(土)=製作部休室(13日月曜指定祝日の振替) ※点字製作係のみ開室  1月14日(火)=エンジョイ!グッズサロンと図書貸出は休室(13日月曜指定祝日の振替)    <<センターの頁>>(2頁)   ●新年のご挨拶〜本年もよろしくお願いいたします  ◆今年もお一人お一人との出会いを大切に  館長 久保田 文(あや)  新年おめでとうございます。いつも、目の見えない・見えにくい方々を始め、読書にニーズがある様々な方への情報提供にご尽力くださいまして、誠にありがとうございます。本年も、皆様がご健康で充実した日々を過ごされますことを、心よりお祈りいたします。  昨年の12月に日本ライトハウス展が開催され、慌ただしさを残したままの年明けとなりました。日本ライトハウス展の詳細は次号でご報告いたしますが、ボランティアとしてご参加くださった皆様、ご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。日本ライトハウス展には、「目が見えなくなると医者に言われたけれど、何をどうすればいいか分からない」「自分に何ができるか分からない」という不安を抱えた当事者の方やご家族、当法人をご存知ない福祉関係者も多く来場され、私たちの広報不足を痛感しました。  今年は、より多くの方々に日本ライトハウスを知っていただけるよう、高齢者福祉・教育機関等への周知活動とオープンデーの充実を目指して参りますので、引き続きのご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  ◆より良い情報提供を目指して  製作部長 数又 幸市  昨年4月に異動してきてから今日まで、本当にあっという間で、自分は何の仕事をしてきたのだろうか、と自問しています。あらためて当館の製作部は、ボランティアの皆さまに支えられながら全国トップクラスの情報提供ができていると強く感じました。  2025年の製作部は、「足下を見つめつつ・空を見上げよう」をテーマにしていきたいと思います。「足下」とはボランティア活動の根幹や目的、「空」は自身のスキルアップや目標です。何のために資料を製作するのか、利用される立場の方々を思い、それに必要なスキルや製作方法にはどういう手立てがあり、求められているのかを見つめ直し、柔軟に発展していく年にしたいと思います。  「質の高いもの」を「少しでも早く」提供できるよう、今年も皆さまと職員で連携しながら活動してまいりましょう。  ◆「ニポラ50−100」を目指して!  サービス部長 林田 茂  私たち点字図書館(情報提供施設)では、視覚障害の当事者の方々やご家族、関係者のみならず、これまで関わりの少なかった方々にも、私たちの取り組みや情報をしっかりと提供することが大きな課題となっています。その一環として、昨年開始したウェブラジオ『ニポラジオ』はこれまでに14回分の放送を配信し、多くの方々からご好評をいただいております。  昨年、メジャーリーグの大谷翔平(しょうへい)選手が前人未踏の「50−50(50本塁打・50盗塁)」を達成し話題となりました。私たちもこれにならい、『ニポラジオ』の50回放送と、YouTubeで情報提供を行っている『ニポラチャンネル』の100回配信を目指す「ニポラ50−100」に挑戦したいと考えています。  今年は「巳年」にちなみ、新しい挑戦と変化に対する前向きな姿勢で取り組んでまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 (写真=左から数又、久保田、橋口勇男専務理事、林田。当館3階にて。)  ◆人事異動のお知らせ  当館製作部メディア製作センター・電子書籍ユニットでは、12月1日付で河村和栄を採用いたしました。趣味は、星を見ることや、ウクレレを弾くことなど。どうぞよろしくお願いいたします。    <<ボランティアの頁>>(3〜4頁)   ●疑似体験やクイズを通して災害への心の備えを   〜ボランティア友の会の施設見学会で「あべのタスカル」へ  当センターのボランティア友の会では、毎年秋に「施設見学会」を行い、交流を深めています。今年は体験型防災学習施設「あべのタスカル」を参加者15人(内、職員2人)で訪問し、再現された様々な災害を体験しながら、有事の際の対応について学びました。当日の様子を、友の会世話人の廣野美代子さん(録音ボランティア)に報告していただきます。  あべのタスカルは大阪市立阿倍野防災センターの体験型防災学習施設で、あべのフォルサの3階にあります。11月16日(土)に職員2人を含む15人で、自助について学ぶ1時間の「タスカルコース」を体験してきました。13時からスタートなので、始まるまでイメージキャラクターのレスキューパンダ“たすけるくん”と記念撮影をしたり、インフォメーション横の「おおさか防災情報ステーション」を見たりしました。このステーションは直径約3mの円形画面で、大阪の地形を上から眺める形です。津波による水害範囲や上町断層などが映し出され、大阪市全域の被害想定や地域特性に応じた災害危険を学べます。情文の辺りは、自分の住む所はなどと見ているうちに、体験コースがいよいよスタートしました。  始めにタスカルシアターで阪神淡路大震災を模したショートストーリーを見ました。座っている椅子に振動があり、6mの巨大スクリーンの映像は迫力満点で、被災の悲惨さを痛感しました。減災・消火・煙を学ぶ各コーナーでは、地震による火災の多くは通電火災によるものなのでブレーカーを落として避難することや、炎が天井に届いたら初期消火は諦めて逃げること、煙は天井付近で横に広がりそのスピードは歩く速さと同じくらいなので慌てず口を覆い低い姿勢で逃げること、上に昇る煙のスピードは10倍になるので階下に逃げること、延焼を防ぐため最後の人は扉を閉めること等を知りました。煙で前が見えないときは壁を伝うと良いそうで、5mほどの煙中避難を体験しましたが、口を覆い、屈んだ姿勢で壁伝いに歩くのはなかなか難しかったです。 (写真=消火手順を学ぶ参加者の皆さん。燃えるコンロの映像が映し出されたスクリーンに向かって消化器の模型を構えて消火の仕方を体験している。)  津波避難とがれきの街の余震体験は、プロジェクションマッピングを使った実寸大の映像で、建物が崩れガラスが足元に落ちてきて、危険をリアルに感じることが出来ました。水害時は頑丈な建物の3階以上に避難することが大事で、設置されている非常階段を5mの高さまで登りましたが、津波の高さはあっと言う間に目の前にきて車が流れていきました。  最後は震度7体験です。室内を想定した映像を見ながら縦揺れと横揺れを体験します。縦揺れは足から腰がガクンと持っていかれる感じで、手摺に掴まっていなければしゃがみ込んでいたでしょう。横揺れは体全体が弾かれるように揺さぶられ長く続きました。映像の中の家具が移動していて、家具の固定の重要性を実感しました。装置から降りるときになって、どれだけ強く手摺を握りしめていたか分かりました。  スタッフのガイドはここまででしたが、この他にも、備えを学ぶコーナーでのクイズ、119番通報やエレベーターが止まった時のシミュレーションが出来ます。知識として対応は知っていても、やはりエレベーターが止まった瞬間暗くなるとドキドキしました。  防災グッズの備えはもちろんのこと、このような疑似体験をすることが災害時の心の備えになると思います。今回の施設見学は備えの重要性を考える良い機会になりました。    ●「古典チーム」の立ち上げに尽力された工藤和子さんを偲んで   先月号で、専門音訳グループ「古典チーム」の生みの親である工藤和子さんのご逝去をお伝えいたしました。ご勇退されて17年経つ今も、古典チームの皆さんに慕われ、思い出話に花が咲く工藤さん。長年にわたり親しくお付き合いされてきた録音ボランティアの梨さんと久保さんから、追悼のお手紙を頂きました。  ◆工藤さんとの思い出  録音製作係ボランティア 梨智子(さとこ)  工藤さんとのご縁は、70年前私が大学の国史科に入学した時に始まります。2年上にいらした旧姓・前田和子さんは、マドンナ的存在でした。後にTBSのアナウンサーになられたこと、同級だった工藤氏と結婚されて、箕面に住んでおいでのことは、風のたよりに聞きましたが、お会いする機会はありませんでした。それが40年もたって情文のボランティア活動でご一緒になるとは……思いもかけなかったことでした。  アナウンサーとして体得された読みに加え歴史の知識も豊富でしたから、古典チームの中心で皆をリードしてくださっていました。私はそれ以外にも、箕面の郷土資料館の古文書講習会に誘っていただき、ご一緒に学び、教えていただくことも多かったです。  工藤さんは、どなたにでも惜しみなく親切にお教えくださる方でした。あの明るい笑顔とお声に接することが出来ないのは淋しいですが、今は安らかな時を過ごしていらっしゃると信じております。  ◆長年のお付き合いに感謝  録音製作係ボランティア 久保洋子  私がはじめて情文に来た時、工藤さんはすでにご活躍でした。昔取った杵柄で、その美声と確かな読みはあこがれでした。情文で工藤さんと知り合った後で、工藤さんのご主人が私の高校の同級生だったことを知り、ご一緒にヨーロッパ旅行をしたこともあります。私たち同級生グループにもすぐに溶け込んで下さり、楽しい旅になりました。  私は一足先に立ち上がった理数チームで活動していたので、古典チームの立ち上げの時に工藤さんから相談を受けたことも懐かしい思い出です。持ち前のパワーで、立派に古典チームを立ち上げられました。  もうお声を聞くこともできないかと思うと悲しく残念です。ご冥福をお祈りしています。   ●報告の頁(8頁)  ◆「日本ライトハウス展2024」が盛会裏に終了  おかげさまで、12月6日(金)・7日(土)に、目の見えない方・見えにくい方の機器展示会「日本ライトハウス展〜全国ロービジョンフェア2024」を天満橋OMMビルで開催し、約1,400人の 方にご来場いただくことができました。ボランティアの皆様にも場内ガイドのご協力をいただき、事故無く、安全に終えられましたことを感謝申し上げます。「日本ライトハウス展」の内容とご協力くださったボランティアの方々につきましては、次号でご報告いたします。  ◆当館共催でMMD教科書の講演会を開催  昨年12月1日(日)、NPO法人NaD、当館、日本デジタル教科書学会の共催によるマルチメディアデイジー教科書(以下、MMD教科書)講演会「デイジー教科書の有効利用につなぐ〜研究報告と活用事例」が当館4階で開催され、来場約25人、オンライン約170人が参加されました。  佛教大学講師の楠敬太氏による講演では、小・中学生のMMD教科書利用の実態調査に関する報告があり、MMD教科書は学習意欲や語彙力の向上、自己肯定感などに繋がるが、利用頻度が平均して週1回程度という児童・生徒が多く、活用のピークは小学校中学年であることが示されました。背景には、MMD教科書の有効性が学校現場に知られていないことや、家庭学習でのMMD教科書の使用が定着していないこと、学年が上がることによる特別支援教育体制の変化など、様々な要因があると分析されていました。また、情報提供として、教科書バリアフリー法が改正され、外国籍の子どもたちがMMD教科書を使えるようになったことや、当館の数又製作部長による「サピエ図書館」の利用方法などが紹介されました。  ◆お詫び  前号に掲載いたしました、灯友会(とうゆうかい)の「クリスマスチャリティの集い」の記事で、当法人本部の電話番号が間違っていました。正しくは06-6961-5521です。誠に申し訳ありませんでした。 あゆみ 【12月】 6日 日本ライトハウス展(〜7日、OMMビル) 10日 点訳ボランティア養成講習会修了式 14日 オープンデー(館内見学日、2人) 18日 音訳ボランティア養成講習会修了式 20日 わろう座映画体験会 26日 サービス、ボランティア活動年内最終日 27日 仕事納め 予定 【1月】 6日 仕事始め、法人新年互礼会(本部) 7日 サービス、ボランティア活動再開 9日 サービス部休室(在庫・書庫整理日)  ボランティア世話人会 11日 製作部休室(13日月曜指定祝日振替)※点字製作係のみ開室 14日 サービス部休室(13日月曜指定祝日振替) 18日 オープンデー(館内見学日、要予約) 編集後記 2年使った手帳カバーを新調しました。お気に入りだったので惜しい気持ちもありますが、経年劣化が目立つようになってきたのでぼろぼろになりきってしまう前に、新しいものに変えて新鮮な気持ちで新年を迎えようと思います。(徳) ONE BOOK ONE LIFE(ワンブックワンライフ) 2025年1月号  発行 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター(館長 久保田 文)  住所 大阪市西区江戸堀1-13-2(〒550-0002)     TEL 06-6441-0015 FAX 06-6441-0095     E-mail info@iccb.jp  表紙絵 かたおか朋子  発行日 2025年1月1日  定価 1部100円 年間購読料1,000円