「読書」目の見えないかた・見えにくいかたの情報誌  2024年6月号(第52巻第6号)  発行 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター  電話(火から土曜日)  図書貸出 06−6441−0139  サービス全般 06−6441−0039  休業日 日・月・祝日、第2木曜日、年末年始・夏期  その他 (総務)06−6441−0015  ◆もくじ  1.ひごばしニュース  2.グッズサロン お役立ち情報  3.お役立ち本棚  4.情報カフェ  ◆6月の休館について  6月13日(第2木曜)=エンジョイ!グッズサロンと図書貸出は、在庫・書庫整理日で休室。  ◆当館のサービスご利用について  @当館5階エンジョイ!グッズサロンにご来館の際は事前予約をお願いします。開館・電話受付時間は祝日を除く火曜日から土曜日の10時から16時30分です。  A対面リーディング=Zoom(ズーム)を使い、2部屋で実施。※同室での対面も相談に応じます。  B会議室貸出と会議室での行事=各部屋の定員内で実施。会議室のご予約は、2ヶ月前の1日(ついたち)から受け付けます。  ※体調が悪い時や発熱が疑われる場合は来館をお控え下さい。  1.ひごばしニュース  ◆インクルーシブ出版の普及をめざして、日本デイジーコンソーシアムと協働事業  館長 久保田文(くぼた あや)  当館では、今年度より新規事業として、日本デイジーコンソーシアム(JDC)と連携して、インクルーシブな出版の課題と解決方法に関する調査・研究に着手します。  JDCとは、デイジー図書の規格を開発・維持している国際デイジーコンソーシアムの国内機関です。当館を含む5団体が中心となり、電子書籍の専門家で技術委員会を構成し、日本の要望を国際規格に反映させるように働きかけるとともに、国内外のデイジーの啓発・普及活動を推進しています。  インクルーシブな出版とは、出版社自身が、アクセシブルな電子書籍(文字を機械で読み上げられる、文字の色や大きさを変えられる電子書籍)を発行し、そこに障害者の利用を邪魔しないコピーガード(不正コピー・流出を防止するもの)を付与することで、利用しやすさと著作権保護を両立させ、障害者に対しても健常者と同じ電子書籍を提供する出版形態のことです。すでに欧州では2025年からのアクセシブルな電子書籍の出版が義務付けられており、インクルーシブな出版の流れは世界で始まっています。  一方、日本国内の読書バリアフリー法に関する関係者協議会では、出版社から点字図書館等への書籍のデジタルデータの提供が、議論の中心になっています。実現すれば、アクセシブルな電子書籍の製作時間が短縮され、視覚障害者等の方々への情報補償に大きく役立つことは間違いありません。  ですが、出版社の多くは中小企業であり、デジタルデータの提供は出版社にとって利益を伴わない負荷であることから、ほとんどの書籍のテキストデータが提供されないのではと危惧されています。  また、全国的に漸減傾向にあるボランティアに依存した方法では、読書バリアフリー法の理念は実現しません。障害者差別解消法の改定により民間事業者の合理的配慮が義務化され、出版社に対しても障害者が利用可能な電子書籍の提供が期待されている今こそ、インクルーシブな出版の議論があってしかるべきだと考えています。  インクルーシブな出版の実現には、出版社が、技術的にハードルが高く採算が取れないと考えているいくつかの課題を解決する必要があります。当館では、アクセシブルな電子書籍のプロ集団であるJDCと協力しながら、視覚障害者等の方々と出版社の双方に有益な、持続可能な仕組みを提言していきたいと思います。  もちろん、視覚障害の方々には、アクセシブルな電子書籍だけでなく、点字、録音、拡大図書が提供されるべきです。このことは読書バリアフリー法でも、従来提供してきた点字等の図書の質的・量的充実を図り、加えて、アクセシブルな電子書籍等も提供すべきことが謳われています。当館においても、引き続き、質の高い点字・録音図書の製作を続けながら、この事業を進めてまいります。  ◆チャリティコンサートに菅田利佳(すがた りか)さんが出演  いよいよ、6月16日(日)に当法人の盲導犬育成事業のためのチャリティコンサートが開催されます。  スペシャルゲストの菅田利佳さんは、和歌山県出身で昨年3月に東京大学・教育学部を卒業。 国連難民高等弁務官(こくれんなんみん こうとうべんむかん)になるのが夢で、卒業時に成績優秀な学生に送られる総長大賞を、全盲として初めて受賞されました。  今回の出演は、同郷で、指揮を務める澤和樹(さわ かずき)氏による「菅田さんはピアニストとしても素晴らしく、ぜひ出演してほしい」という熱烈な推薦で実現しました。  12時開場、13時30分開演。  会場 ザ・シンフォニーホール(JR環状線福島駅から500m)  チケット(3,500円)のご購入は募金事業部(電話06−6968−1030、平日9時から18時)まで。  ◆「バリアフリー2024」で最新機器・サービスを紹介  4月17日から19日にインテックス大阪で開催された「バリアフリー2024」は3日間で4万7千人以上が来場し、当館が企画・開催した「目の見えないかた・見えにくいかたのための展示コーナー」も、多くの福祉従事者や専門学校生でにぎわいました。  今回は、当館のエンジョイ!グッズサロンを始め、白杖、拡大読書器、遮光眼鏡、デイジー再生機などの用具・機器の他、スマホの歩行支援アプリ、視覚障害のかたにも使いやすいようデザインされたシューズ、バッグ、服など、あわせて15社が出展。点字名刺を作る体験コーナーには、毎日100人を超える人が訪れました。  また、約40人が参加したワークショップ「AI活用による視覚障がい者の移動革命と将来への展望」では、歩行支援アプリ「Eye Navi(アイナビ)」について、AIの可能性など今後の展望が発表され、参加者から高い期待が寄せられました。  ◆2024年度の当館の職員配置  今年度、当館では職員の異動を行い、4月から以下の職員配置で業務を行っています。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。  *以下、係毎に所属職員を掲載  ●3階・総務部  久保田文(くぼた あや、館長・総務部長) 谷口由紀(たにぐち ゆき、主任) 曽禰一子(そね いつこ) コ嶋薫(とくしま かおる)  ●5階・エンジョイ!グッズサロン(機器・用具係)  林田茂(はやしだ しげる、サービス部長) 松本一寛(まつもと かずひろ、主幹) 原田美貴(はらた みき、主任) 岡本昇(おかもと のぼる) 今村竹志(いまむら たけし) 仲川葵(なかがわ あおい) 江島英夫(えじま ひでお) 前北純弥(まえきた じゅんや) 竹田幸代(たけだ ゆきよ) 橋美加(たかはし みか)、須貝直美(すがい なおみ)、石原加奈子(いしはら かなこ) 金田美優(かねだ みゆ) 宮崎裕子(みやざき ゆうこ) 西野知世(にしの ともよ) 吉田恵子(よしだ けいこ、新任)  ●アルテビル9階(図書貸出係)  山岡幸雄(やまおか ゆきお) 伊藤信乃(いとう しの) 片岡美有(かたおか みゆ、新任) 福田直樹(ふくだ なおき) 長尾郁子(ながお いくこ) 小川真奈美(おがわ まなみ) 伊藤淳子(いとう じゅんこ) 樋口あゆみ(ひぐち あゆみ)  ●6階・録音製作係  数又幸市(かずまた こういち、製作部長、新任) 内藤流津(ないとう るつ) 中川史(なかがわ ふみ) 根本和広(ねもと かずひろ、新任) 宇田佑香(うだ ゆうか、シネマデイジー担当)  ●7階・メディア製作センター(MSC)デイジーユニット  白坂マナミ(しらさか まなみ、主任) 小西美希(こにし みき) 林登(はやし のぼる) 久住拓子(ひさずみ ひろこ) 廣政史佳(ひろまさ ふみか)  ●8階・点字製作係・MSC点字ユニット  奥野真里(おくの まり、主幹) 木田陽子(きだ ようこ、主任) 稲田久美(いなだ くみ) 大川靖子(おおかわ やすこ) 岡田直美(おかだ なおみ) 西岡貴美子(にしおか きみこ)  ●8階・MSC電子書籍ユニット  長本幹(ながもと みき) 太田和美(おおた かずみ)  ●退職のお知らせ(5月付)  サービス部機器・用具係=川口千代(かわぐち ちよ)  2.グッズサロン お役立ち情報  お申し込み・お問い合わせは、エンジョイ!グッズサロン(電話06−6441−0039)まで。  (1)商品情報  ◆新商品〜お香カードゲーム「くんくんくん」  創業300年を超えるお香の専門店「松栄堂(しょうえいどう)」が作った嗅覚で遊ぶカードゲーム。カードの香りを頼りに、同じカードや違うカードを組み合わせたり、相手のカードを当てたりして遊びます。カード型のお香として、財布やバッグに入れておくのもおすすめです。家族や友達とゲームを楽しんでも良し、一人で嗅覚トレーニングをしても良し、子どもから大人まで気軽に楽しめます。  価格 3,300円(税込)  セット内容 お香カード3種(各3枚・保存袋入り)、遊びかた説明書  ◆携帯型マルチプレーヤー「センスプレーヤー ライト」  「センスプレーヤー」からカメラ機能を除いた製品が発売されました(販売元 エクストラ)。  デイジー図書の再生、デイジーオンラインでの図書の検索とダウンロード、スマホ等のキーボード(スマートコネクト機能)、録音、音楽データの再生、ポッドキャスト、FMラジオなどの機能を備えています。  サイズ 縦130mm、横64mm、厚さ14.5mm、重さ140g。  価格 85,000円(非課税)  ◆商品価格変更のお知らせ  6月より、商品価格を以下のように変更させていただきます。ご了承下さい。  ●6月1日より価格変更(全て税込)  「見やすいノートB5」=280円  「見やすいノートA4」=390円  「大きいマス目のノートB5」=280円  「大きいマス目のノートA4(8×10マス)」=390円  「ブラックメモパッド」=280円  ●6月15日より価格変更(全て非課税)  「メーリンHD 24インチ(HDパック付き)」=283,000円  「メーリンHD 24インチ(HDパック無し)」=268,000円  「アクロバットHD」=268,000円  「アイ・ラビュー13 スタンダード」=298,000円  「アイ・ラビュー16 プレミアム」=350,000円  ◆販売終了商品について  点字でメモの保存ができる小型点字ディスプレイ「オービット20」は、販売元での取り扱い終了により販売を終了いたします。ご了承下さい。  (2)講習会・体験会情報  ◆7月のICTサロン・Eye Navi(アイナビ)体験会  視覚障がい者歩行支援アプリ「アイナビ」の体験会を実施します。アイナビは、障害物や目標物の検出機能、道案内機能、歩行レコーダー機能を備えたiPhoneアプリです。今回はアイナビの使いかたの説明と、歩道での障害物や歩行者信号の検出を、初級と中級に分けて体験していただきます。貸出用iPhone有り。専用ネックポーチも実際に触っていただけます。  日時 7月27日(土)初級コースは10時から12時30分、中級コースは13時30分から16時  会場 当館4階 会議室  定員 各回12名(先着順)  申込締め切り7月12日(金)  ◆iPhone個別ミニ講習  iPhoneをお持ちのかたを対象とした30分間の個別ミニ講習です。  今回のテーマは「電話」。連絡先や履歴からの発信、電話帳への登録、電話に関するSiri(シリ)の活用方法などを取り上げます。  開催日 6月22日(土)、7月23日(火)  時間  13時から13時30分  13時40分から14時10分  14時20分から14時50分  15時から15時30分  15時40分から16時10分  受講料 無料  定員 各回1名(先着順)  3.お役立ち本棚  お問い合わせ・お申し込みは、貸出窓口(電話06−6441−0139)まで。  ◆今月のお役立ち目録〜「背筋がゾクッと寒くなる小説」  怖いのは幽霊?怪奇現象?それとも人間?怖いけれども面白い、ホラー小説や奇譚・怪異を集めた話を紹介。目録は点字版、音声デイジー版、墨字版があります。ご希望のかたには無料でお送りします。  ◆差し上げます  「MBSラジオ点字番組表 2024年4月から9月」(点字 全1冊)  「ABCラジオ点字プログラム 2024年 春号」(点字 全1冊)  4.情報カフェ  ◆大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏会にご招待  大阪フィルハーモニー交響楽団では、7月19日(金)19時から北区のフェスティバルホールで行われる定期演奏会に当館の利用者5組10名をご招待します。  今回はマルクス・ポシュナーの指揮、ダニエル・オッテンザマーのクラリネットで、ブラームスの「交響曲 第1番 ハ短調 作品68」、ウェーバーの「クラリネット協奏曲 第2番 変ホ長調 作品74」他を演奏。  お申込みは必ず郵便で(点字可)、住所、氏名、電話番号を明記し、6月15日(土)までに当館大フィル係(〒550−0002大阪市西区江戸堀1−13−2)までご応募下さい。結果発表は招待券の発送(6月18日の予定)をもって代えさせていただきます。  ◆当事者による就労相談合同マッチングを新大阪で開催  様々な業種・職種の視覚障害者が自身の就労経験を伝える活動をしている「視覚障害者就労相談人材バンク(SJB)」が、初の合同マッチングを開催します。  企業、公務員、医療、福祉関係に従事する70名のSJBメンバーが、視覚障害当事者、企業の採用担当者、支援者・家族の相談に応えます。事前申込み不要、参加費無料。  日時 7月14日(日)13時から17時  会場 TKP新大阪駅前 カンファレンスセンター(新大阪ラーニングスクエアビル4F JR「新大阪駅」東口12番出口から徒歩1分、メトロ御堂筋線「新大阪駅」中央改札口5番出口から徒歩8分)。  問い合わせは、SJBのHP(ホームページ)の「お問い合わせ」からメールで。 https://shurojinzaibank.com/